第4次産業革命

だいよじさんぎょうかくめい(英:Fourth industrial revolution)

第4次産業革命とは、18世紀末以降の水力や蒸気機関による工場の機械化である第1次産業革命、20世紀初頭の分業に基づく電力を用いた大量生産である第2次産業革命、1970年代初頭からの電子工学や情報技術を用いた一層のオートメーション化である第3次産業革命に続く、次のようないくつかのコアとなる技術革新を指す2(付図2-1)。

一つ目はIoT及びビッグデータである。工場の機械の稼働状況から、交通、気象、個人の健康状況まで様々な情報がデータ化され、それらをネットワークでつなげてまとめ、これを解析・利用することで、新たな付加価値が生まれている。

二つ目はAIである。人間がコンピューターに対してあらかじめ分析上注目すべき要素を全て与えなくとも、コンピューター自らが学習し、一定の判断を行うことが可能となっている。加えて、従来のロボット技術も、更に複雑な作業が可能となっているほか、3Dプリンターの発展により、省スペースで複雑な工作物の製造も可能となっている。

こうした技術革新により、1大量生産・画一的サービス提供から個々にカスタマイズされた生産・サービスの提供、1既に存在している資源・資産の効率的な活用、1AIやロボットによる、従来人間によって行われていた労働の補助・代替などが可能となる。企業などの生産者側からみれば、これまでの財・サービスの生産・提供の在り方が大きく変化し、生産の効率性が飛躍的に向上する可能性があるほか、消費者側からみれば、既存の財・サービスを今までよりも低価格で好きな時に適量購入できるだけでなく、潜在的に欲していた新しい財・サービスをも享受できることが期待される。

また、諸外国も含め、第4次産業革命の流れとして既に取組が始まっている具体的な事例を整理すると以下のようになる。

第一は、財・サービスの生産・提供に際してデータの解析結果を様々な形で活用する動きである。具体的には、製造業者による自社製品の稼働状況データを活用した保守・点検の提供、ネット上での顧客の注文に合わせたカスタマイズ商品の提供、ウェアラブル機器による健康管理、医療分野でのオーダーメイド治療、保安会社による独居老人の見守りサービスの提供などの事例がある。

第二は、シェアリング・エコノミーである。これは、インターネットを通じて、サービスの利用者と提供者を素早くマッチングさせることにより、個人が保有する遊休資産(自動車、住居、衣服等)を他者に対して提供したり、余った時間で役務を提供するサービスである。具体的には、保有する住宅の空き部屋等を活用して宿泊サービスを提供する「民泊サービス」や、一般のドライバーの自家用車に乗って目的地まで移動できるサービス、個人の所有するモノ(衣服等)を利用するサービスや、個人の持つ専門的なスキルを空き時間に提供するサービス、空いている駐車スペースを利用するサービス等、様々なサービスが登場している。

第三は、AIやロボットの活用である。具体的には、AIを使った自動運転の試行実験、AIを活用した資産運用、介護などでのロボットによる補助の活用等の事例がある。

第四は、フィンテック(FinTech)の発展である。フィンテックとは、金融を意味するファイナンス(Finance)と技術を意味するテクノロジー(Technology)を組み合わせた造語であり、金融庁金融審議会(2015)は、「主に、ITを活用した革新的な金融サービス事業を指す」としている3。具体的には、取引先金融機関やクレジットカードの利用履歴をスマートフォン上で集約するサービスや、個人間で送金や貸借を仲介するサービス、AIによる資産運用サービスのほか、情報をAIで分析して信用度を評価することで、伝統的な銀行では貸出の対象にならないような中小企業や消費者向けに迅速に融資を行うサービスの提供などが可能となっている4。


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